最高裁判所第一小法廷 昭和40年(あ)1318号 判決 1966年4月21日
主文
本件上告を棄却する。
理由
<前略> 弁護人遊田多聞の上告趣意第二点、同古田進、同黒田充洽連名の上告趣意第三点の2は、単なる法令違反の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない(刑法五四条一項前段のいわゆる観念的競合は、一個の行為が数個の罪名に触れる場合に、科刑上一罪として取り扱うものであるから、公訴の時効期間算定については、各別に論ずることなく、これを一体として観察し、その最も重い罪の刑につき定めた時効期間によるを相当とする。従つて、所論本件事前運動の罪についても公訴時効は完成していないとした原判決の判断は正当である。)
以上摘記の各弁護人のその余の上告趣意および弁護人岸本静雄の上告趣意は、事実誤認、単なる法令違反、もしくは量刑不当の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。
よつて、同四〇八条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。(岩田誠 入江俊郎 松田二郎)